サービス一覧

ミカド電装商事様の事例 | ソフトブレーン・サービス 株式会社

サービス一覧

導入事例

ミカド電装商事様の事例

ミカド電装商事様の事例

宮城県仙台市で蓄電池設備の販売事業を展開する、ミカド電装商事の取締役社長 沢田元一郎氏に、その営業観とeセールスマネージャーの活用ノウハウとを聞いた。

ミカド電装商事 取締役社長 沢田元一郎様

INDEX

ミカド電装商事の業態

-- ミカド電装商事(以下 ミカド電装) の業態を教えてください。

ミカド電装は、ビルや駅など建築物のための蓄電池設備。つまり停電になった時のバックアップの装置を販売している会社です。蓄電池設備とは、平たく言えば、車のバッテリーのお化けとでもイメージしてください。

蓄電池そのものはジーエスユアサ製です。ミカド電装では、販売、施工、アフターサービスを行います。顧客対象は、民間が30%、官公庁、 JR、電力会社など、「公益事業」が60%、その他が10%という区分けです。直間比率においては、最終使用者への直接販売が4割、別企業を元請けとする間接販売が 6割という構成です。

eセールスマネージャーの導入効果 ~ 生産性の向上

-- eセールスマネージャーの導入効果はいかがですか。

営業なので、数字で説明した方が良いですね。以下は、弊社のここ20期のグラフです。

最近20期のグラフ

今期は、バブル期のピークの年に匹敵する売上げが上がっています。しかし、同じ売上げでも、バブルの46期と59期(2006年度)とでは意味合いが違います。

46期は契約単価が高く、件数が少なかった。バブルだからです。でも59期は、単価は安い。でも件数が多い。つまり、生産性が上がったわけです。生産性が上がったとはどういうことか。昔なら「人が足りなくてできません」と音を上げていた仕事が、今は「できます」に変わったということです。

なぜ生産性が上がったのか。これは2005年に導入したeセールスマネージャーのおかげと言って、過言でありません。詳しくは後述します。

「公益事業」営業における、特徴と課題

-- 今回は、ミカド電装の売上げの三分の二を占める、官公庁、JR、電力会社など「公益事業」への営業の特徴や課題について詳しくお聞きしたいと思います。

-- 「公益事業体向けの蓄電池設備営業」の特徴は何ですか。

「公益事業体向け営業」という切り口から言える営業の特徴は、以下の3点です。

1. 「案件(イベント)重視 (新幹線が来るとか、駅ができるとか、庁舎の改築があるとか…)」
2. 「どこに売ることになるかが最後まで分からない 」
3. 「値段のたたき合いが発生しやすい(小さい会社でも叩こうとする)」

「蓄電池設備を売る」という切り口から言える営業上の特徴は以下の4点です。

1. 「商品に特徴が出しにくい(特徴があっても仕方がない)」
2. 「10年単位のリピート商品である」
3. 「蓄電池設備は、お客にとってのマインドシェアが低い」
4. 「蓄電池設備の施工は、ダンドリのしわよせを受けやすい」
5. 「蓄電池設備は 『寿司屋にとっての卵焼き』 のような商品」

集客、商談、施工・納品、集金、アフターなど「営業プロセス」という切り口から見える特徴は、以下の4点です。

1. 集客: 案件は主に新聞で探す。
~ (業界紙に案件情報が載る)

2. 商談: 実際に、行くことが重要。
~ (「来てくれたから」は、重要な購買動機)
3. 施工・納品・サービスの品質:
~ (ここが差別化ポイント)
4. 集金(与信):実際に、相手の会社に、行って、観察することが重要。
~  (外壁、受付、倉庫、玄関先は与信情報の宝庫)


公益事業体への営業の3つの特徴:
   ~ 「案件(ネタ)重視」、「売り先不明」、「引合先の値引き要請」

営業打ち合わせ風景 -- 順々にお聞きします。公益事業体への営業での特徴

その1、「案件(ネタ)重視。(新幹線が来るとか、駅ができるとか、庁舎の改築があるとか…)」 とは具体的には。

普通の営業では、「顧客」を獲得するといいます。「顧客」が考え方の中心です。しかし蓄電池設備のような商品は、今度、新幹線が来るとか、駅ができるとか、大学病院の改築があるとか、そういう「イベント」に伴って需要が起きます。 従って、営業においては、まず最初に「イベント(案件)」を追うようになります。

-- 公益事業体への営業での特徴その2、「売り先がどこになるか最後まで分からない」とは。

例えば大学病院の改築。その案件はだいぶ前からキャッチできます。しかし、設備業であるミカドは、元請けとなる機会はほとんどありません。ということは、どこが最後にその案件を落札するのか、つまりミカド電装はどこを元請けとし、どこと契約することになるのかは、落札以降でないと分かりません。

-- 公益事業体への営業での特徴その3、「引合先の値引き要請が強い(小さい会社でも値段を叩こうとする)」とは。

大きな会社がバイイングパワーに物を言わせて、値段を叩いてくる。これはよくある話です。しかし蓄電池設備の場合は、年商2億~ 3億の元請けでも値段を叩いてきます。理由は二つあります。

一つめの理由。公益事業体の購買は、ほとんどが入札です。その場合、元請けとしては、蓄電池設備など資材は、少しでも安く仕入れて入札に勝ちたいと考えます。だから、小さい会社でも仕入れ値を叩いてきます。

二つめの理由。蓄電池設備は、「蓄電池工業会規格」で定められた規格品です。規格品の場合、商品の差別化がほとんどできません。平たく言えば、どこの製品を買っても一緒です。ならば、値段を叩いてくる気持ちも分からなくもありません。

蓄電池設備の商品特性その1、
  ~ 「商品に特徴がない(オーバースペックに意味はない)」

-- 蓄電池設備の商品特性その1、「商品に特徴がない(オーバースペックに意味はない)」 とは。

そもそもバッテリーの規格はJISと蓄電池工業会規格により統一されています。その規格を満たしていればバッテリーとしては合格です。ミカドが扱っている蓄電池は、業界No.1シェアのジーエスユアサの製品ですが、それでも差別化は難しい。

公益事業体、特に自治体の入札の場合、購買する製品に対しては「仕様」が設定されます。その「仕様」を満たしている場合、自治体は、購入せざるをえない。このバッテリーは「仕様(JIS規格)は満たしているが、○○の機能がないからダメ」と言って拒むことはできません。

つまり、自治体への直接販売の場合は、「仕様を超えた機能を備えても、意味がない」、「仕様第一、品質第二」とも言えます。いやいや、概念的には、「仕様(JIS規格)イコール品質」なのですが。

一方、間接販売(元請けをはさむ場合)の場合は、製品の製造元ブランドと、品質とが重要性を持ちます。ここでの品質とは、正確な納期管理、的確な施工、手厚いアフターサービスなどを指します。元請けにしてみれば、たとえ製品が同じでも、サービスが良い方から買いたいですから。


蓄電池設備の商品特性その2
  ~ 「リピート商品である(ただし10年ごとの)」

-- 蓄電池設備の商品特性その2、「リピート商品である。ただし10年ごとの」とは。

蓄電池設備も、基本は車のバッテリーと同じなので、10年で寿命。10年経過したら取り替えです。その意味では、リピート商品と言えます。

ただしリピート品といっても間隔が10年です。例えばテレビや車よりも買い換え頻度が少ない商品です。よって、リピート商品でよくある、定期供給契約や定期メンテナンス契約を結んで、安定収入を図ることは、困難です。


蓄電池設備の商品特性その3
  ~ 「お客にとってのマインドシェアが低い」

-- 蓄電池設備の商品特性その3、「お客にとってのマインドシェアが低い」とは。

蓄電池(バッテリー)は、本質的に地味な製品です。光りもせず回転もせず「いざ」と言う時に備えて、じっと待機している存在です。法律による設置義務があるお客様でさえ、普段はバッテリーの事は、すっかり忘れています。強いて言えば、年に何回かの建物ぜんたいのメンテナンスが思い出す機会ですが、その場合でも、「壁にヒビが入っている」とか「ボイラーが壊れた」とかの方が、対処の優先順位が高くなります。バッテリーは後回しです。

蓄電池設備の商品特性その4
   ~  「蓄電池設備の施工は、ダンドリのしわよせを受けやすい」

-- 商品特性その4、「蓄電池設備の施工は、ダンドリのしわよせを受けやすい」 とは。

建造物の施工においては、まず基礎を作り、次に、建屋の建造、最後が、電気設備などの設備工事です。そして、バッテリーの取り付けは、その設備の中でもいちばん最後に来ます。となると、前工程が遅れた場合、納期遅れのしわ寄せをかぶることになりがちです。勢い、短納期の仕事が多くなります。

例えば、ある電波関係の基地局での仕事。納期のしわ寄せが来て、据え付けが真冬になりました。現場の基地局は人里離れた山の中。なのに据え付け当日は、残念ながら大雪。出直し、仕切り直しは、ミカドにとっても、その他の会社にとっても損なことです。この場合は、バッテリーを小分けして、背負子(しょいこ)で運び込んだりすることもあります。


蓄電池設備の商品特性その5
  ~ 「蓄電池設備は『寿司屋にとっての卵焼き』のような商品である」

-- 蓄電池設備の商品特性その5、「蓄電池設備は『寿司屋にとっての卵焼き』のような商品である」 とは。

これは社員にバッテリーの商品特性を教えるときによく使うたとえ話です。バッテリーは、一般の電気設備の技術者から見ると、「異質な商品」です。一般の技術者は、交流の設備には強くても、直流は苦手分野だからです。

たとえば電気の配線工事においては、技術者は、電気そのものをさわることはなく、あくまで線を這わせるだけです。一方、バッテリーの場合は、作業において、電気そのものを触ります。電設会社から見ると、バッテリーを直列でいくつも連結していたりする様は、見るからに感電などの短絡事故が起きそうで、気持ち悪く見えるそうです。

一方、寿司屋の卵焼き。どこの寿司屋のすし桶にも卵焼きが一応置いてあります。しかし卵焼きのような焼き物は、寿司のような握りものとは、作る工程が違います。卵焼きは、寿司屋から見ると、変な料理でしょう。しかし、置かないわけにはいかない。だから寿司屋は、卵焼きを卵焼き屋さんから仕入れます。

電気工事の会社と、バッテリー会社の関係も、寿司屋と卵焼き屋の関係と同じでしょう。私は社員に、「ミカドは、寿司屋にとっての卵焼き屋のようなものだ。寿司屋を助ける卵焼き屋となるよう心掛けよ」と言っています。


蓄電池設備の営業プロセスの特色その1
   ~ 「集客:案件は、新聞で探す(業界紙に案件情報が載る) 」

新聞

-- 次に営業プロセスにおける特徴5点につきお聞きします。
特色その1、「集客:案件は、新聞で探す(業界紙に案件情報が載る) 」とは。

先にも述べたとおり、バッテリー販売における新規開拓においては、顧客ではなく、
「駅の新設」、「大学病院の改築」などのの案件(イベント)を探します。案件は、
基本的に「建設新聞」という業界紙で探します。この新聞には、東北六県の、土木
建築の情報がほぼ網羅的に記載されています。便利な情報源です。

民間向け営業においては「新聞に載る前の案件情報」も重要です。こうした情報は、電気工事会社等から「引き合い」、「打診」という形で人づてに伝わってきます。引き合いを確実に得るには、普段から真面目に仕事をして、信用を勝ち得ておくことが重要です。

「建設新聞」には、毎月、料金を払って、一面下に広告も載せています。この広告で仕事が来たりはしません。しかし営業マンの、初回訪問の際に、「ミカド電装? ああ、いつも建設新聞に広告出している、あの会社ね」と反応してもらえます。知名度づくりが目的の広告です。

蓄電池設備の営業プロセスの特色その2
   ~ 「商談:実際に、行くことが重要」

-- 営業プロセス上の特色その2、「商談:実際に、行くことが重要」とは。

バッテリーの商談においては、特に宮城県外の商談では、実際に行く、顔を出すことが大事です。「来てくれたから」は、商談を前進させるする重要な要因。

顧客にしてみれば、「(いいタイミングで)わざわざ来てくれた」営業マンであれば、他県の人間でもある程度、信用してくれます。義理人情も生じます。また、顧客側で「バッテリー会社と直接つながる経路を持っておけば、今後、何かと良いことがあるだろう」と考えることもあるでしょう。


蓄電池設備の営業プロセスの特色その2
   ~ 「施工・納品・サービスの品質:(ここが差別化ポイント) 」

-- 営業プロセス上の特色その3、「施工・納品・サービスの品質:(差別化ポイントここ) 」

先ほども述べたとおり、バッテリーは、商品自体はJIS規格で統一されており、どれを買っても性能はほぼ同じです。したがって、バッテリー販売における「品質の追求」は、「施工の品質」、「提供技術の品質」を意味します。ミカド電装では、「お客様に支持される品質の追求」という経営方針を実現するために、以下の活動を行っています。

1. 納期厳守。悪条件でも、めげずに正確施工。
2. 施工計画書や現場データなどを、お客様の求めるタイミングで提出する。
3. 態度は礼儀正しく。服装は折り目正しく。もちろん現場では禁煙。
4. 作業後の掃除は、やや範囲を広めに。来たときよりも美しく。
5. 技術系社員は必要資格を有している。
6. 安全に対し万全の注意を払う。

このような「提供の品質」がミカドの強みです。こうした「品質」に価値を感じてくださるお客様、「ミカドは少し高いけど、それは施工や提供の品質が優れている分の値段なのだな」とご理解くださるお客様こそが、弊社がつきあいたいお客様です。


営業プロセス上の特色その4
   ~ 「集金(与信):実際に、相手の会社に、"行って観察すること"が重要」

-- 営業プロセス上の特色その4、「集金(与信):実際に、相手の会社に、"行って観察すること"が重要」とは。

土木建築系の話ですから、元請けからの支払いは、ほとんどが手形を通じてです。大きい会社、付き合いが古く、よく知っている会社から振り出された手形であれば、まず大丈夫です。問題は、新規取引 ・他県・あまりよく知らない/見当がつかない、小規模の会社とのお付き合いです。

集金で焦げ付かぬよう、与信を確実に行わねばならない。与信が怪しい会社には、最初から見積もりを出さないようにしたい。では、どうやって相手の与信を見極めるのか。調査会社のデータを使う手もありますが、あれは点数が良くても、当てにならないことがあります。決算自体が粉飾の場合もありえますから。

結局、自分の目で確かめるのが、一番です。私は、社員には、新規取引の場合は、実際に取引予定先の社屋を訪問し、以下のことをチェックしてくるようにと指示しています。

1. 小さな会社なのに、社長が地場の団体の役員などを長く勤めている会社、あるいは社長室に表彰状がたくさん貼ってある会社は要注意。本業が疎かになっている可能性が高いから。

2. 自社ビルが重厚な会社も要注意。外壁がイミテーションの煉瓦の模様の場合は最悪。お金を産まないところにお金をかけるのは、見栄張りの証拠。外見がお化粧好きの場合、内面(財務諸表)も、お化粧(粉飾)している可能性がある。

3. 社長、会長の銅像などがある会社は要注意。

4. 受付の対応、電話の対応、そこから透けて見える社内の空気感に気を配るべし(何となく、淀んでいるように感じたら、要注意)

5. 資材倉庫は、チラっと見ておくべし。荷物が動いている気配がするかどうか。をチェックしろ。玄関前もあまりキレイすぎない方が良い。宅急便の荷物がおいてあるぐらい、やや雑然としていた方が良い。

-- 逆に、外見がどんな会社であれば信用できますか。

社屋が、古くて、でも小ぎれいで、気取っていない場合は、信用できます。その外見は、「その会社が今まで長く続いてきたこと」、「関係ないところにお金は使わないという堅実な考え」の二つを、あらわしていますから。


営業を進める上で気をつけていること4点

-- 順々にお聞きします。営業上の留意点その2、「変な元請けにつかまらないこと」とは具体的には。

バイイングパワーにものを言わせて、変な取引を押しつけてくる元請けがいます。過去の事例ですが、某大会社はバイイングパワーをちらつかせながら、いかにも次の仕事があるかのように見せかけて交渉してきました。「今回は、金額安くて、利益は出ないけど、施工はないから(でも今回ちゃんと仕事してくれれば、次があるから)」のような形で話を持ってきます。

ところが実際には、施工がないのは本当だけど、極度に向こう都合の小分け納品を強いられ、一件当たり、1万円の粗利さえ出ない仕事になったりします。そこまで苦労させておいて、次があるのかといえばない。次回は、最初からまた同じやり方、同じ交渉を、別の会社にもちかけるのです。

こういう仕事につかまると、時間とエネルギーを消耗します。そうなると、本当に大切にするべきお客様へのサービス品質が低下する恐れがあります。それでは本末転倒です。避けねばなりません 。

「変な元請けにつかまらないこと」

-- 順々にお聞きします。営業上の留意点その2、「変な元請けにつかまらないこと」とは具体的には。

バイイングパワーにものを言わせて、変な取引を押しつけてくる元請けがいます。過去の事例ですが、某大会社はバイイングパワーをちらつかせながら、いかにも次の仕事があるかのように見せかけて交渉してきました。「今回は、金額安くて、利益は出ないけど、施工はないから(でも今回ちゃんと仕事してくれれば、次があるから)」のような形で話を持ってきます。

ところが実際には、施工がないのは本当だけど、極度に向こう都合の小分け納品を強いられ、一件当たり、1万円の粗利さえ出ない仕事になったりします。そこまで苦労させておいて、次があるのかといえばない。次回は、最初からまた同じやり方、同じ交渉を、別の会社にもちかけるのです。

こういう仕事につかまると、時間とエネルギーを消耗します。そうなると、本当に大切にするべきお客様へのサービス品質が低下する恐れがあります。それでは本末転倒です。避けねばなりません 。

「ミカドの価値を評価してくださるお客様とだけ付き合うこと」

-- 営業上の第3の留意点、「ミカドの価値を評価してくださるお客様とだけ付き合うこと」とは具体的には。

ミカドと価値観が合うお客様とより多く出会う。そうでないお客様からは、なるべく早くNOの返事をもらえるようにする。この2つを目標に、日常の営業活動を組み立てるということです。

このことを、私は良く、以下のようなコーヒードリップの図を使って社員に説明します。

コーヒードリップの図

一番上が、最初の案件(見込み客)です。この段階では、ミカドと価値観の合うお客様、合わないお客様が混在しています。一つ下の段階に行くと、見込み客の量が少し減っています。これは、「価格最優先のお客」や、「とにかく元請けの言いなりになる業者を探している顧客」などを外した結果、見込み客量が減っているのです。

このような「濾過」の過程を経ることにより、最後には、品質重視というミカドの姿勢を評価してくださる良いお客様だけが残ります。そのお客様に全力で貢献することにより、良い仕事(美味しいコーヒー)がドリップされるのです。

「価値観が合わない見込み客を、次々、外していく」というと傲慢な印象があります。しかし、先にも述べたとおり、この営業手法の本当の目的は、真にミカドを認めてくださるお客様と一人でも多く出会うこと。そしてそのお客様に、時間とエネルギーを注ぐことです。

「安さ」だけを求めるお客様にとっては、当社はメリットある会社ではないはずです。そうしたお客様からは、できるだけ早い段階で「NO」をもらい、営業活動をそこで止めることが重要です。

「間違ったセルフイメージを持たないこと」

- 第四の留意点、「間違ったセルフイメージを持たないよう気をつける」とは。

どんな営業マンがすごい営業マンなのかという頭の中のイメージ。普通の人は、「サラリーマン金太郎」とか「飛び込みで車1000台売った!」などを元にイメージしていると思います。

何か大変な問題や困難があって、それを解決したのが良い営業マンだという考え方。「今回は大変なお客だったよ」とか、「本当に難しい仕事だったよ」と人に嬉しそうに言う。ひどい場合には、「この案件、本当に大変で、赤字だったよ」と嬉しそうに言う。冷静に考えれば、とんでもない発言なのですが。

困難な案件を克服することに、自己重要感、自己承認感を感じる気持ちはわかります。しかし、私は、営業に、そのような個人的なメンタルを持ち込むべきではないと考えます。マンガの中のサラリーマン金太郎のように、困難を克服する営業マンは確かに格好良い。しかし、現実の営業で本当に重要なのは、最初から困難を作らず、勝ちやすい案件で確実に勝つことです。

-- 土木建築系の営業の世界には、そうした理論だけでは片付かない、「切った張ったの世界」があるように思うのですが。

切った張ったはあります。私にも修羅場を乗り切った経験があります。しかし、何と無駄なことをしてきたことかと、今では思います。切った張ったが発生しそうな案件からは早めに手を引いて、もっとミカドの良さを認めてくれるお客様に、時間とエネルギーを注ぐべきでした。

沢田社長にとっての「理想の営業」のイメージ

-- 試みに、沢田社長にとっての「理想の営業」を、描写するとどうなりますか。

思いつくまま述べてみます。

「ムリ・ムラ・ムダ無く自然に勝っている状態。意味無く苦労しない状態。苦労したことを誇りに思わない状態」

「湾岸戦争で、なぜ多国籍軍の精密爆撃は成功したのか。それは、最初にイギリス軍がバギーで出張っていって、地下基地など、爆撃すべきポイントを明確にプロットしたから」

「船長は、魚群探知機を使って、魚がたくさんいるところに皆を連れて行けば良い。当然だが、よく釣れる。よく釣れるので、皆の士気も上がる」

「行くべきお客のところに、行くべきタイミングで確実に行っている状態。お客様からは、『お、ちょうど良いときに来てくれたね!』と見える。商談がこちらで主導できる。一方、お客様も、自分のペースで話が進んでいると感じる、win win の状態」

「確実に勝てる、成約が取れるので、営業マンが自信を持っている状態。『俺、売りに行けば、売れるな』と営業マンが自然に思っている状態。売れて、業績が上がる。業績が上がって収入も増える。衣食足りて礼節を知る。社内の雰囲気も自然に良くなる」

eセールスマネージャーに関心を持つようになった経緯

-- 沢田社長が、営業のプロセスマネジメントの必要を感じるようになったのは、いつ頃からですか。

バブルが崩壊して、いったん売上げがガクンと下がって、そして底を打って、やっと上り調子になってきた、その頃からです。

かつてのミカドの営業は、個々人の天然自然の能力にまかせていただけでした。これを、組織化し、論理化し、ミカドの経営体質を強靱にしたいと考えていました。

その頃、偶然の宋さんの著作「ここが変だよ、日本の営業」に出会い、eセールスマネージャーを知り、これは良いと思い、さっそく導入しました。

eセールスマネージャーの導入効果 ~ 経営者としての成長

-- eセールスマネージャーの導入効果は?

経営者である私自身が、営業への認識が変わったこと、成長できたこと。これが最大の導入効果です。

ここまで述べてきた、「勝ちやすきに勝つ」、「付き合うべきお客様とだけ付き合う」などの営業観。それは、eセールスマネージャーを実際に使って、自ら営業プロセスを設計していく過程で、自然に分かっていったことです。座学の営業研修、経営研修では、この「腹に落ちる感覚」は得られなかったと思います。

今は、無理に追っかけなくても、仕事が入ってくる。「売れてしまう」という感覚です。営業マンも、皆、良く働いてきます。早く帰ってもいいよとは言っていますが、みな、やる気を出して残っています。売れるから、 面白いのでしょう。

eセールスマネージャーを使いこなす3つのコツ

-- これから、eセールスマネージャーを使おうとする会社のために、「eセールスマネージャー使いこなしのコツ」を教えてください。

以下の三つの情報は、みなさまのお役に立つかもしれません。

1. 「プロセスは経営者自身が組むべき」
2. 「労働分配率の再設定」
3. 「道具の工夫」

コツその1、「営業プロセスは経営者自身が組むべき」

-- 最初のコツ、「プロセスは経営者自身が組むべき」とは具体的には。

弊社ぐらいの規模の会社の場合、営業プロセスは、経営者自身が組むべきだと思います。その方が、結局、効果が早く出ます。

わたしも最初は、社員に勝手にプロセスを組ませていました。すると、社員は、行きたいところ、行きやすいところを最初にスケジュールする。儲からなくても、気が合うところ、面白いところに行こうとする。

ふと見ると、顧客リストの中の「行くべきお客」への訪問が全く進んでいない。どうして行かないのかと聞くと、「いやー、今、手一杯で」と返事が来る。こりゃ、ダメだと思い、以後は自分でプロセスを構築することにしました。自らプロセスを組むことで、自身の営業観を高めていけるという副次効果もあります。

コツその2、「労働分配率の再設定」

-- 2つめのコツ、「労働分配率の再設定」とは。

ミカドでは、「予測営業利益の30%を期末ボーナスで支給」という取り決めにしています。みんなで営業し、みんなで数字を上げ、みんなで収入を上げようという考えに基づいています。

コツその3、「道具の工夫」

-- 3つめのコツ、「道具の工夫」とは。

今、ミカドでは、営業プロセスを記入するためのハンディ手帳をオリジナルでつくりました。これまで、携帯電話、ザウルス、パソコンなど、いろいろ試しましたが、結局、手帳への手書き記入が、ミカドの業態にはいちばん向いているという結論に達しました。道具は、今後も改善を続けるつもりです。

プロセスマネジメント大学への評価

-- プロセスマネジメント大学にもご出席いただいています。ご評価を。

営業、マーケティングの基礎を、体系的に学ぶための、非常に良い講座です。自分の知識やノウハウは、案外穴ぼこで、抜け、モレがあるのだなと分かりました。講座の受講を通じて、その穴ぼこを埋めることができました。毎月、仙台から電車賃をかけて通っただけの価値はあります。

eセールスマネージャーはどんな会社に向いているか

- eセールスマネージャーはどんな会社に向いていると思いますか。

「いわゆるオールドエコノミーに属する業界」、「ルートセールス中心」、「社長が二代目・三代目」。こんなキーワードが当てはまる業界、会社に向いていると思います。「古い酒を新しい革袋に」というイメージです。

今後の期待

-- ソフトブレーン・サービスへの今後の期待をお聞かせください。

eセールスマネージャーの活用を通じ、わたし自身、経営者として一段上に行けたと感じています。ありがとうございます。今後も、さらに経営の質を高める努力をしていきます。ソフトブレーン・サービスによる、ノウハウとツールの支援に期待しています。今後とも宜しくお願いいたします。

お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。